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R-142号(短編)

ロボットのRを取って付けられた僕の名前は
R-142。

博士が作った142番目のロボットだから142。
誰でも想像できる様なロボットで、
箱型の手、箱形の足、箱形の胴体に箱形の顔。

もちろん言葉がしゃべれない代わりに、
胸のところについている電光掲示板でおしゃべりするんだ。

だけど、手や足は飾りみたいなもんで、
僕には、ずーっと突っ立ってる事しか出来ないんだ。

週に1回だけ博士が、たぶんエネルギーの充電の為だと思うんだけど、
その時だけ、触れてくれて、それ以外はずーっと
僕には分らない様な研究をしてるみたいで、
ほとんど後姿しかみせてくれなかった。

だけど、博士も知らなかったんだ。
僕には心があって、本当に自分で考えてたんだよ。

でも、僕の口からは何の声も出ないし、
電光掲示板で何を言っても、
博士は自分のプログラムが答えてる、としか
思ってくれなかった。

それでも僕は毎日毎日、博士の後姿を見て過ごして
1週間毎に、僕の体に触れてくれる日を、楽しみにまってた。
それだけで充分だったんだよ。

うん、僕は分かってたんだ。
博士はずっと昔に大切な人をなくして、
その寂しさを埋める為に、
ロボットを作り続けてたって事を、ね。

だから僕は思ってたよ。
僕ならずっとずっと博士のそばに居てあげられるのに、って。

博士が歳をとって、おばあちゃんになっても、
ずっとずっと居てあげられるのに、って。

だけどね、本当にそうなったら、

とても悲しいんだね。

たぶん数日前に、
僕は博士の寝起きで日を数えてたからよくわからないけど、

博士が机の前に倒れこんで
そのまま動かなくなってしまってから、
僕は相変わらず、ずーっと突っ立ったまんまなんだ。

ロボットだから涙は出ないんだ。

そして、数日たった今も僕はずーっと突っ立ったまんま。
博士は1週間毎にエネルギーを充電してたから、
僕はあと数日間、このまんまなんだよね。

でも、もし、それが充電とかで無かったら、
僕は、いつまで博士の事を考えながら
突っ立ってなきゃいけないんだろう。

僕は自分のスイッチも切る事が出来ないんだから。

(終わり)
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No.51 / 2011/04/21(02:30:11 )

僕の玉子はどこに行ったのですか?
すごく気に入って、今日もう一度読み返そうと思い、ブログを開いて慌てています。
玉子、玉子、帰ってきてください。
もちろんこの短編といれかえじゃなくて。
もう一度、読みたいです。
  • URL
  • ポモドーロ
  • edit

No.52 / 2011/04/21(20:08:01 )

>ポモドーロさん、
スミマセン…。
書いてからいろいろ思う所があって自粛致しました。
気に入ってくださってありがたいです。
そんな中、ホントにスミマセン…。
もっと気に入ってもらえるもの、書きます。
  • URL
  • 中野こーじ
  • edit

No.53 / 2011/04/22(03:04:29 )

数年前のことです。通っていた喫茶店で気に入った本を見つけて、少しずつ読んでいました。その店で読むのが私にとって幸せなひとときで、だから、気に入った本を自分で買うこともせず、ゆっくり読み進めていました。
仕事が忙しくなり、二ヶ月ほどお店に行けないまま日が過ぎてしまい、久しぶりに訪ねたら、お店がなくなっていました。
貼り紙のあるシャッターの前で、呆然と立ち尽くした私。あの本はもう読めないのです。
あんなに気に入っていたのに、私はタイトルを覚えていませんでした。いつでも読めるという安心感があったからです。

玉子のお話を気に入ったのなら、保存しておけばよかった。また読めると安心感を抱いていました。
玉子のお話、よかったです。
どうかまたいつか、作者の心持ちに変化が訪れて、再び楽しめる日が来ますように。
  • URL
  • ポモドーロ
  • edit

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こーじ

Author:こーじ
愛知県に住んでいる
ギター&ボーカルな人です。

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